粥日記

A fehér liliomnak is lehet fekete az árnyéka.

洗濯機に抱きついて眠れたらいいのに

洗濯機が静かに回っている気配だけが、ベッドに横になる私に届いている。

洗いたてのタオル類を入れて乾燥機能スイッチオン。洗濯機があたたかくなっている様子を、隣の部屋から想像している。体温のあるものの気配が家に存在するのは、それだけで不思議な嬉しさと安心感がある。「私には上等すぎる」と思っていたけれど、乾燥機能がある洗濯機を選んで良かった。

 

風邪を引いたらこれをこうしてこう! というようなマイルールが、社会人にはあるらしい。ビタミンB群をアホみたいに摂る! とか、部屋の温度と湿度をガンガンに上げて10時間寝る! とか、すわ風邪かと感じたら即病院に行って処方された薬を飲む! とか。私にはそういうのがない。

エリート社会人に「熱がしんどい〜」的な連絡したら、俺の完璧な風邪予防について普段より長めの返信が来た。エリート社会人は風邪などひかないのである。エリートの意識はすごい。えらい。さすが出世するだけのことをしている。私にはそういう意識もない……と、少し落ち込む。

 

熱がだいぶ下がったので2日ぶりにちゃんとしたご飯を食べようと、うどんを茹でたら利き手を火傷してしまった。落ち込みながら、指を保冷剤で冷やしつつ午後を過ごす。

夕方になるとまた少し熱が上がって横になった。3歩進んで2歩下がっているなあと思う。

 

以前は、体調やメンタルがおかしくてもあまりそれに気づけなかったり、周りに言えなかったりしていた。編集ライター講座で聞いた「メンタルが不安定な人には依頼しない」という編集者の言葉が記憶に残っていたからだ(Twitterを見れば私が色々な浮き沈みある人に見えていたとは思うが……)。

少し前、自分でも「これはきっかけ次第で本当に死んでしまうかも」と恐怖を感じるくらい自殺願望にとらわれた時期があった。ふと死んでしまったときのためにと思い、つらい体調やメンタルのことも正直にブログやnoteに残してみるようにした。それでも、ちゃんと新しいお仕事のお話はいくつもいただけて、ありがたくも拍子抜けした。

 

夜に『しくじり先生』を見たら、武田真治が「『自分はいっぱいいっぱいだ』と言っていいんだ」というようなことを言っていた。私のブログやnoteを見て嫌だと思った人もいたかもしれないけど、でも言って良かったんだな。良かった。武田真治の話は3回くらい泣きそうになってしまい、でもちゃんと笑わせるポイントもあってさすがだった。サービス精神を持つ余裕のある私に戻りたい。

 

朝起きたら、元気になって土曜日の分までいっぱい書くぞ。洗濯機に抱きついて眠れたらいいのにと思いながら、抱き枕を構いつつ寝る。