とっくに始まってる
恋なら始まってる
私もどうなっても
いいみたい
2016年4月27日(水)に発売された、アンジュルム『恋ならとっくに始まってる』のワンフレーズだ。最後のサビを、同年5月30日(月)でのグループ卒業が決まっている田村芽実(めいめい)が歌い上げる。
アンジュルム『恋ならとっくに始まってる』(ANGERME[Love’s already begun])(Promotion Edit)
『恋ならとっくに始まってる』というタイトルではあるが、この曲を聴いて「恋愛の曲だ」と認識しなかったファンもいるのではないだろうか。つんく♂のライナーノーツには「彼や恋愛と出会った瞬間の曲です。 」とあるものの、むしろ、あと1ヶ月程で卒業してしまうめいめいが追いかける「夢」について歌われた曲だと感じた人も多いと思う。私もその1人である。
初めてこの曲を聴いた際に私がまず連想したのは、Berryz工房のデビュー曲『あなたなしでは生きてゆけない』だった。
アイドルとしてのデビューを迎えた小学生から中学生のメンバーたちが「初恋を最後の恋として 一生あなたの事 愛したい」と歌う。ここに出てくる「あなた」は、恋人でもファンでもない。彼女たちがこれから日々向き合い続けなければならない「音楽」のことだった。それは、作詞作曲を手掛けたつんく♂のライナーノーツにも記されている。
「あなた=音楽」と解釈して聴いて見てください。
現代を生きる女の子の「私が一番!」という強い精神が浮かび上がってくるはずです。
Produce Work│つんく♂オフィシャルウェブサイト
『あななし』の「あなた=音楽」と同じ手法で、『恋ならとっくに始まってる』も「恋=夢」なのではないか。私には、そんな気がしてならなかった。
女の子は恋愛事に関心が高く、年頃ならば恋のことばかり考えていると思われがちだ。実際、恋愛に関しては情熱があり、いつも以上の行動力を発揮できるという子もいるだろう。
しかしそんな世間のイメージを逆手に取るように、女の子は誰にも止められない一生をかける程の熱量を「夢」や「仕事」に費やせるのだと、つんく♂は歌詞で伝えてくれる。それは、ハロプロメンバーを含めた全ての女の子自身の選択や人生への信頼と応援であると感じ、私はいつも嬉しくなる。やはり『恋ならとっくに始まってる』は、めいめいへのはなむけの曲だ。
卒業していく田村ですが、器用そうに見え、不器用なところもありました。
それをパワーで乗り越えてきましたが、年齢的にもここからはきっと不器用な ところは不器用なりに丁寧に個性的に乗り越えていくんだと思います。アンジュルム 4/27 sg 「恋ならとっくに始まってる」ライナーノーツ|つんく♂オフィシャルブログ 「つんブロ♂芸能コース」 powered by アメブロ
2009年に舞台『しゅごキャラ!』でスマイレージのメンバーと共演し、2011年にスマイレージに加入しためいめい。めいめいが卒業後の夢として掲げた舞台女優への道は、実はとっくに始まっていた。情熱を持って本気で恋に向き合うからこそ自分の弱さを知り、恋に背中を押され、恋を成就させる。この「恋」が「夢」に置き換わっても、きっと同じなのだ。
残り約1ヶ月のアンジュルムメンバーとしてのめいめいの情熱と、卒業して夢を叶えていくめいめいの本気を、私たちファンも彼女のそれに相応しい熱量を持って見守っていかなければいけない。
次々続々/糸島Distance/恋ならとっくに始まってる(通常盤C)
- アーティスト: アンジュルム
- 出版社/メーカー: アップフロントワークス
- 発売日: 2016/04/27
- メディア: CD
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