粥日記

A fehér liliomnak is lehet fekete az árnyéka.

人待ち顔をする礼儀

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「人待ち顔」といわれる表情がある。人を待っているような顔つき。また、そのようなさま。
私もいま、人を待っているような顔つきをしているのだろうか。だって人を待っているから。

自分以外の人の遅刻があまり気にならないため、人を待つことに何の感情もなかった。6時間の遅刻に、いいよいいよと返事したこともある。誰かと会うのにワクワクしたり、ドキドキしたりすることがしばらくなかった。人を待ちながら何度も本を読む手を止め、時間を確認し、連絡が来るか来ないかソワソワとしながら、そんなことに気づいた。

もうちょっと、ワンピースに合った上着を買っておけばよかった。あるものでなんとかしようとして、やけにもっさりとしてしまった。いつもなら「まあ仕方ないか」と腹をくくれるのに、どうも上手くいかない。「まあ、コンサバってことで」と苦しい言い訳をして、気持ちを誤魔化す。

もしかしたら、いままで待ち合わせ相手のことをあんまり大切に思えていなかったのかもしれない。TPOに合っていればいいかとか、新しい服を買ったから着ようとかそれくらいで、相手が見てどういう気持ちになるか考えて服を選んだことって久しぶりかも。いつも自分のことで精一杯で、自分がどう見られるかばっかりで、私と会ってくれた人の気持ちはどこかに置いてきていたのかも。いや、ちょっとそれは自省しすぎかな。

服のことはともかく。人待ち顔でいることもまた、待ち合わせ相手への敬意なのではないかと思えてきた。どうでもいい、気にしてない、全然待ってないよ。そんな態度が相手の気を軽くするだろうといつからか思い込んでいた。けど、会えて嬉しい、待ってました、楽しみすぎて変な感じになっちゃった。そう見えたほうが、嬉しい気持ちになってもらえるんじゃないだろうか。

私はいま、ちゃんと人待ち顔に見えているかな。会えて嬉しいということを、感じてもらえるかな。気になる項目が、ひとつ増えてしまった。