粥日記

A fehér liliomnak is lehet fekete az árnyéka.

デートの待ち合わせ場所にたどり着けない夢

やたらに詳細を覚えている夢を見た。
こんなに細かく夢の内容を覚えていることがあまりないので、記録しておく。

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大学生の頃に入っていたサークルのOB飲み会で、良いところを見せようとしたのか、幹事でもないのに周りの世話を焼こうとしすぎた。ふと気がつくと、その後に入っていたデートの待ち合わせ時間を2時間半も過ぎている。慌てて会計や帰宅者の世話を後輩に託し、駅に急いだ。

居酒屋を出るとき、デートの相手に頼まれていたものを家に忘れてきたことに気がつく。楽しみにしてくれていたものだったのに、忘れるなんて。でも、取りに帰っている時間はない。時間はないというか、すでに2時間半遅れているのでマイナス。

状況を連絡すると、待ち合わせの相手が一人でお酒を飲んでいる写真が送られてきた。申し訳ない気持ちで全身が締め付けられたような感覚になる一方、「誰が撮ったんだこれ」という素朴な疑問も抱いた。

駅のホームに行くには、目の前のデパートを突っ切ってしまったほうが早い。デパートの中を早足で進んでいると、アクセサリーの入ったディスプレイに服か身体かを引っ掛けて倒してしまった。すみません、すみませんと謝って、できる限り元の形になるようにディスプレイを直す。「こんなとこ、通らなくたっていいじゃない」と、店員さんが言う。小声で、私に聞こえないように言ったつもりだったのかもしれない。聞いてしまってすみません。店員さんは真っ赤な口紅をつけていた。

「あとは大丈夫ですよ」。真っ赤な唇の店員さんが、今度は普通の話しかけるくらいの声のボリュームで言ってくれた。最後に2回、すみません、すみませんと謝って、私は駅に向かう。途中、親しげに話しかけてくる人がいて足止めを食らう。誰なんだ、この女性は。私の知っている人なのだろうか。「急いでいるんです」という言葉が、なぜか出てこない。へえ、そうなんですね、そうなんですねと相槌を打ちながら、曖昧にその場を去ろうとする。かえっておかしいだろ。

改札に入ろうとしたとき、待ち合わせの相手からまたSMSが届いた。「待ってるね~」。2時間半も遅刻している私に対して、優しすぎはしないだろうか。っていうか、私はどの電車に乗ろうとしているんだっけ? どこに行くんだ、八重洲八重洲っていう駅はなくない? 東京駅ってこと? 待ち合わせの相手が送ってくれた場所のURLを開こうとする。吉野町吉野町って八重洲じゃなくない? 私は何を見ているんだろうか。スマートフォンの画面は、いつの間にか真っ白だ。